第12話・写真コンテスト~完結編~

 前回までのあらすじ
 海ちゃんの手によって、みっつ名義で応募されていた札幌ドーム主催の写真コンテスト。見事に1次審査を突破し優勝に一歩近づいたのだった。
 利権獲得を目論む海ちゃんと自身の栄達の為にほの暗い野望を抱くみっつ。2人の野望が激しく交差する怒涛の完結編の開始です!
                              
 一次審査を突破した事で、グランプリが現実味を帯びてきたので、海ちゃんとみっつの2人は再び学食で会合を開くことにした。
 これも野望成就の為なので、みっつ嬉々として待ち合わせ場所に行った。 そこで、当選したときの段取りや最終審査についての話をしていたのだが、みっつはストレートな質問をした。
 みっつ 「それで、海ちゃん。勝算はあるのかい?」
 海ちゃん 「それがですね~。やはり、一般人の投票によるので微妙ですね~。こないだ、外道君たちがドームに来るというから投票をして貰いましたけどね~。エヘヘへヘ」
 みっつ 「へ~。ラビ達が投票してくれたんだ~。とはいえ、それだけでは雀の涙だよね~。」
 海ちゃん 「そうなんですよね~。エヘヘへヘ」
 場の空気が重くなってしまいそうなので、みっつはもう一つ、どうしても気になる事について海ちゃんに質問をする事にした。
 みっつ 「ところで、優勝商品って、一体なんなの?」
 海ちゃん 「ああ、それはですね~。日本ハム・ファイターズの来年のシーズン・チケットですよ~。エヘヘヘヘ」
 みっつ 「へ?日ハム?海ちゃん、野球好きだったっけ?」
 海ちゃん 「いえいえ、僕は見に行きませんよ。でも、このチケットを金券ショップで換金してもらうんですよ~。そしたら、結構な額になるし、来年の就職活動の資金の足しにもなりますからね~。エヘヘヘヘ」
 みっつ 「な、なるほどね!相変わらず、スゴイね。君は・・・。」
 海ちゃん 「ええ、生きる為に必死ですからね~。エヘヘヘヘ」
 それから、しばらくして年の瀬も迫った頃に、みっつの家に札幌ドームから1通の封筒が届いた。
 期待を込めて開けたみっつだったが、「残念ながら・・・。」というお決まりの文章と残念賞の札幌ドームの卓上カレンダーと、札幌ドーム・イベントニュース1,2月分(表紙はグランプリの写真)、そして海ちゃんが撮影した写真が3点入っていた。ちなみに、みっつは写真をこの時に始めて見たのであった・・・。
 みっつは、すぐに海ちゃんに報告の電話をし、
 みっつ 「だ、駄目だったよ・・・。」
 海ちゃん 「そうですか・・・。残念です~。エヘヘヘヘ」
 と、2人して気落ちした。
 期待していただけに残念であったし、海ちゃんの為にも優勝したかったが、こればかりはどうしようもなかった。だが、今ではいい思い出(少なくとも俺にとっては)である。
 一つだけ心残りなのは、写真がドームに展示しいてる間に見に行けば良かったかな~?と、思うことである。いちお、自分の名で展示されている写真を見るなんてのは、二度とない機会だったと思うのでね・・・。
                              
 後日譚
 今でも札幌ドームから送って来た物は保管している。(カレンダーは使っています。)やはり、捨てるのは忍びないからだ。
 それから、この場を借りて言いたいのは、あれからも家には札幌ドームからイベントニュースが届くのである・・・。つい先日も7、8月分が準グランプリの表紙写真と共に家に届いた。
 非常に頭にくる。見る度に悔しさを思い出すし、毎回3部ずつと余計に入っているのも気に入らない。もっと、ありがたがって見る人に送ればいいんだよ!と、憤慨しつつ後日譚に代えさせてもらいます。
                              
 いかがだったでしょうか?今回は、悪だくみしたり、怒ったり、なんか疲れました・・・。さて、次回は第13話「みっつVSぺ~揚げ物編~」をお贈りしま~す。お楽しみに~!

※この物語は事実を元に構成されたノンフィクションです。
           [総監督・原作・監修] 海ちゃん
           [脚本・シリーズ構成] みっつ


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